そして、再び瞳を開けると、
「それじゃあ、その願いを叶えよう」
そう言って微笑んだ。
「おっ…親父!そんな…だって…」
「てめぇは黙ってろ将生」
「……っ」
私の顔色を読み取ったのだろう。
男は、なぜ?と問いたげなあたしにゆっくりと口を開いた。
「俺らが生きてる世界はな、強くなきゃ望みは叶わねぇ。強い者は得るが、弱い者は失う。そんな世界に俺らは生きてる」
男は、なぜか恭に目を向ける。
恭は、何も言わず瞳を落としていた。
「姉ちゃんには、人を惹きつける力がある。だからこそ、こいつらは姉ちゃんを助けたいと思ったんだろう。それは、姉ちゃんの力だ。
その力を前に、うちのバカ息子は完敗だ。あんたは立派に強い者だよ」
男は、また優しく微笑むと、あたしの頭にクシャリと手を乗せた。
「だから、あんたの望み通り、潤はあんたに返すと約束しよう」
目の前が涙で滲む。
男の顔がぼやけてよく見えない。
だけど、あたしの頭に置かれたその手は、驚くほど温かかった。
「色々と大人の事情ってもんがあってな。直ぐに籍を抜くことは出来ねぇ。18までは今まで通り、金銭面の面倒は見させてもらう。だが、18になったら好きなように生きればいい。
潤は驚いたように目を見開く。



