漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


そして、再び瞳を開けると、


「それじゃあ、その願いを叶えよう」


そう言って微笑んだ。



「おっ…親父!そんな…だって…」


「てめぇは黙ってろ将生」


「……っ」



私の顔色を読み取ったのだろう。


男は、なぜ?と問いたげなあたしにゆっくりと口を開いた。



「俺らが生きてる世界はな、強くなきゃ望みは叶わねぇ。強い者は得るが、弱い者は失う。そんな世界に俺らは生きてる」


男は、なぜか恭に目を向ける。


恭は、何も言わず瞳を落としていた。


「姉ちゃんには、人を惹きつける力がある。だからこそ、こいつらは姉ちゃんを助けたいと思ったんだろう。それは、姉ちゃんの力だ。

その力を前に、うちのバカ息子は完敗だ。あんたは立派に強い者だよ」


男は、また優しく微笑むと、あたしの頭にクシャリと手を乗せた。


「だから、あんたの望み通り、潤はあんたに返すと約束しよう」


目の前が涙で滲む。


男の顔がぼやけてよく見えない。


だけど、あたしの頭に置かれたその手は、驚くほど温かかった。



「色々と大人の事情ってもんがあってな。直ぐに籍を抜くことは出来ねぇ。18までは今まで通り、金銭面の面倒は見させてもらう。だが、18になったら好きなように生きればいい。


潤は驚いたように目を見開く。