漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



ドクッと脈が跳ねる。


脈を一つ打つたびに、嫌な感情がじわりじわりと込み上げてくる。



「そんな勝手な理由で…私達兄弟を引き裂いたんですか?」


気付いた時には、そんな言葉が口を突いて出ていた。


お母さんお父さんが亡くなって、孤独ながらもあたし達は支え合って生きてきた。


潤がいたから、どんな状況でも耐えてこられた。


なのに…


それなのにそんな理由で、あたし達は引き裂かれたの?



この人を責めることが見当違いなのは分かってる。


だけど…


だけど……




「姉ちゃんの言いてぇ事は分かる。大人の事情に巻き込んで、悪かったな」


尚も冷静な面持ちの男は、そうあたしに謝罪をする。


そして、また冷たい目で放心状態でいる自分の息子を見下ろした。


「この馬鹿野郎は、栗山のとこのせがれにやられたんだろ?」


「そう…ですが…」


「姉ちゃんの願いはなんだ?」


「え?」


「栗山のとこのせがれは、なぜあんたの為に戦った?」



それは…


「恭達は…潤を取り戻す為に一緒に戦ってくれたんです」


そう言うと男は、「そうか。」と言って何かを考えるように瞳を閉じた。