漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「この馬鹿息子が…。てめぇみてぇな馬鹿が、頭張ろうなんざ、100年早ぇ」


「っなっ…」


「散々俺の面子潰しやがって…。てめぇ、どう落とし前つけんだ?あ?てめぇみてぇな奴が後継ぎだと思うと、俺ぁ生まれて初めて恐怖ってのを感じるよ」


男はわざとらしく困った表情をしながら、自分の息子の頬を手の甲でペチペチと叩いた。


でも、目は真っ黒だ。


葛原は酷く怯えている様子。


そんな葛原をよそに、男はゆっくりとこちらを振り返ると、今度はさっきのは見間違いかと思うほど優しい笑みを向けた。



「あんたが、潤の姉ちゃんかい」


「……っ」


「潤と、良く似てるな」



そう言って、より一層柔らかく微笑むものだから、警戒しているこっちがバカみたいだ。



「よく…似てないと言われます…」



あたしがまだ警戒心を残しつつそう言うと、男はふっと楽しそうに笑った。




「うちの息子はどうも出来が悪くてな。姉ちゃんには散々迷惑かけたみてぇだな。

それに、お前にもな。潤」


男は、潤の頭をクシャリと撫でる。



「俺の後を継ぐのがあいつってのは、正直俺も心許なくてな。
だから、俺はお前を引き取った。もし将生が後継ぎとして機能しないのなら、お前を後継ぎにするつもりだった」