漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


男は恭に笑みすら見せている。



なんで?


どういうこと?



「あんなにちっさかったクソガキが、今じゃいっちょ前に族の頭ってか」


「そうからかわないで下さいよ。清四郎さん」



恭は、恥ずかしそうに眉を下げて笑っている。



–––––––“清四郎さん”



そう親しみすら篭っているような口調に、目眩すら感じる。



何で恭が、三豪会の組長と知り合いなの?


さっきこの男は、“栗山んとこの”って言ってた…。


恭のお父さんと何か関係してる……?



飲み込んだ唾がゴクリと嫌な音を立てて食道を下りていく。



恭は…何者?


今、私の目の前に居るのは……一体誰?



「おや…じ…。俺を助けに来たんだろ…?
そいつ…殺っちゃってよ…。潤の事も、連れてくって言うんだ…。俺の族もメチャクチャにされたんだよ…」


「将生…」


男は、ボロボロの姿で床を這う葛原に冷たい視線を落とす。


「おや…」



「甘ぇ事言ってんじゃねぇっ!!!」



葛原は助けてくれるものだと思っていたその男の言葉に、大きく目を見開いた。