「……ダサ。泣いてんの?」
「…っうるさいっ」
潤は楽しそうに、ふはっ!と笑う。
あたしの大好きなその笑顔で。
「姉ちゃん…」
「なに?」
「帰りたい…」
潤…
潤……
「うん…。帰ろう。一緒に、帰ろう。」
こうやって抱き締めるのは、小さな時以来かな。
潤の身体は昔なんかよりも、ずっとずっと逞しくなっていたけど、
温もりは、なんら昔とは変わっていない。
やっと、取り戻したのだと心から実感した。
きっとこれからは、大好きな君の笑顔を側で–––
ずっと、ずっと–––––
「茉弘」
葛原と睨み合いをしている恭が、少しだけあたしに目を向けて口角を上げる。
そして、後手に腰の辺りで手をグーパーして見せたかと思うと、その手はピースサインを形作った。
「ぷ」
だからさ、それは緊張感なさ過ぎなんだって。
でも……
私は彼にこれでもかってくらいの満面の笑みを浮かべると、
高く高く
ピースサインを掲げた。



