漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「……ダサ。泣いてんの?」



「…っうるさいっ」



潤は楽しそうに、ふはっ!と笑う。


あたしの大好きなその笑顔で。



「姉ちゃん…」


「なに?」


「帰りたい…」



潤…


潤……



「うん…。帰ろう。一緒に、帰ろう。」



こうやって抱き締めるのは、小さな時以来かな。



潤の身体は昔なんかよりも、ずっとずっと逞しくなっていたけど、



温もりは、なんら昔とは変わっていない。



やっと、取り戻したのだと心から実感した。





きっとこれからは、大好きな君の笑顔を側で–––



ずっと、ずっと–––––






「茉弘」


葛原と睨み合いをしている恭が、少しだけあたしに目を向けて口角を上げる。


そして、後手に腰の辺りで手をグーパーして見せたかと思うと、その手はピースサインを形作った。



「ぷ」


だからさ、それは緊張感なさ過ぎなんだって。



でも……




私は彼にこれでもかってくらいの満面の笑みを浮かべると、




高く高く


ピースサインを掲げた。