「さぁ。茉弘、来い。
こいつらがどうなってもいいのか?ほら。優しくめちゃくちゃにしてやるから」
「……」
こんな時、前のあたしならどうしてたかな?
怯えおののく?
それとも、二人を守れるのならと自分を犠牲にする?
じゃあ、
今のあたしは?
「茉弘ちゃん!!!」
あたしは、葛原の元へと歩き出す。
「おいっ!!!」
太一が腕を掴み、それを制止する。
あたしは、その手にそっと手を置くと、
「大丈夫。信じて」
そう言って、優しくその手を剥がした。
ゆっくりと階段を上る。
「ひひっ。やっと諦めたか。早く来い。俺のものにしてやる」
バカな人。
そして、可哀想な人。
この人は、人を信じる事を知らない。
ようやく階段を上がると、葛原があたしに一歩一歩近寄ってくる。
「来たな。さぁ、どう楽しもうか?」
あたしの首筋から胸までをそっと撫でる葛原。
「ずいぶんと大人しいじゃねぇか。俺のものになる気になったか?」
滝沢もさも楽しそうにその行為を見ている。
「…そうね。あなたのものになってもいいかも」
あたしは、あたしに触れる葛原の腕に頬ずりをする。
「あんたが恭に、勝てたらね」
「ぎゃあっ!!!」
––––––––––カシャーン



