いやさ、理屈は分かるよ。


理屈はさ。


でも、だからってさ……






こんな何百人もの不良達のど真ん中に立つなんてさ!!!!





「茉弘。大丈夫ですか?」



あたしが、顔面蒼白でプルプルと震えていると、恭が心配そうにあたしの顔を覗き込む。


「だ、だ、だ、だ、大丈夫っ……うぷ。」


うぅ。


あまりに沢山の人の視線と緊張のせいで、気持ち悪くなってきた……。


恭は、あたしの腰に回していた手で背中を優しく擦る。


「また強がるんだから。」


と言って苦笑いしている。



正直、大丈夫じゃない……。


全然大丈夫じゃない……。






その日の前日…………