「取り乱すな。強くいろ。
お前は、伝説の男、栗山恭の姫だろ?」
あたしの頭に置かれた太一の手は、少し震えていて冷たい。
太一だって、あんな恭を目の前に動揺しないはずがないんだ。
だけど、表面ではこんなにも堂々としている。
「煌龍は、恭だけだと思うなよ?テメーもテメーの弟も俺らが守るっつってんだろ。
恭なら心配すんな。バカみたいに信じてろ」
…太一…
「…口…悪いよ…」
「うっせぇ」
ありがとう。太一。
まだ、目の前の光景を前にすれば身体が震えてるくるよ。
口の中もザラついて、息も苦しい。
だけど、こんな事で取り乱すわけにはいかないよね。
あたしは、煌龍の総長を支える姫なんだから。
例え何があろうと目を逸らさずに、
凛としていなくちゃいけないんだ。
「あははははははは!!!!!」
狂ったように笑い出す葛原。
「よくやった!滝沢!!!見ろっ!俺らの勝ちだ!!!」
「そのようですね。」
「さぁ…終わりにしようぜ?」
葛原と滝沢があたしに視線を向ける。
気持ちの悪い笑顔を浮かべる。



