漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



ザクッと肉の裂ける嫌な音がする。



「っ!!!恭っ…!!!」



葛原じゃない。


鷹牙を影で動かしている者。


葛原さえも操っている者。




「…っ!滝…沢…っ」



「勘違いしているのは、あなたの方ですよ。栗山さん」




恭の右の脇腹から血が滴り落ちる。


滝沢の右手に握られているのは、鋭利なサバイバルナイフ。



滝沢に刺された恭は、地面に膝から崩れ落ちていく。





あたしの全身の血が、引いていくのが分かった。


目眩がした。


耳の奥でキーンと嫌な音がする。



「…や…あ…」



視界がぼやけて、涙と一緒に声にならない声が口から零れ落ちる。



「茉弘ちゃんっ!!!」



気が付いたら、あたしは恭のいる前衛へと猛スピードで駆けていた。



「滝沢ぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」



階段を駆け上がろうとした瞬間、腹部に腕が回り強く引き止められる。



「行くなっ!!!大人しくしてろバカッ!!」



太一が、あたしを押さえながら必死でそう叫ぶ。


だけど、そんなのまるで耳に入ってこなくて、



心の中は滝沢に、恭にした事と同じ目に合わせてやる、とそんな真っ黒な気持ちが支配していた。



「離せっ!!!離せっ!!!!」