ここに来る前にそうミーティングしたはずなのに、どうしても冷静ではいられない。
挑発に乗っちゃダメだ。
落ち着くのよ。
あたしは、歯を食いしばり必死に急く気持ちと戦った。
恭は、そんなあたしからゆっくりと葛原に目を戻すと、
「秋月茉弘の弟を返せ。」
恭の声とは思えないほど冷たい声で、そう言った。
恭と葛原の鋭い視線がぶつかり合う。
「ひひっ…あははははは!」
「何が可笑しい?」
狂ったように笑い出す葛原。
そんな葛原に、恭は尚も顔色一つ変えず冷たい視線を向けている。
「だって、可笑しいだろ?潤は、もう茉弘の弟じゃないのに!」
「…っな!」
「茉弘!!」
初めて恭が荒げたその声に、あたしはビクッと肩を揺らした。
恭はあたしに目を向けると、どうしても葛原の言葉にいちいち心を乱されてしまうあたしに、
“大丈夫”
と言うように、頷いてみせた。
「潤は、葛原家の人間だ。もう、茉弘の弟じゃない。俺の弟であり、じきに三豪会の組員になる」



