漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


ここに来る前にそうミーティングしたはずなのに、どうしても冷静ではいられない。


挑発に乗っちゃダメだ。


落ち着くのよ。



あたしは、歯を食いしばり必死に急く気持ちと戦った。



恭は、そんなあたしからゆっくりと葛原に目を戻すと、



「秋月茉弘の弟を返せ。」



恭の声とは思えないほど冷たい声で、そう言った。


恭と葛原の鋭い視線がぶつかり合う。




「ひひっ…あははははは!」


「何が可笑しい?」


狂ったように笑い出す葛原。


そんな葛原に、恭は尚も顔色一つ変えず冷たい視線を向けている。


「だって、可笑しいだろ?潤は、もう茉弘の弟じゃないのに!」


「…っな!」


「茉弘!!」


初めて恭が荒げたその声に、あたしはビクッと肩を揺らした。


恭はあたしに目を向けると、どうしても葛原の言葉にいちいち心を乱されてしまうあたしに、


“大丈夫”


と言うように、頷いてみせた。



「潤は、葛原家の人間だ。もう、茉弘の弟じゃない。俺の弟であり、じきに三豪会の組員になる」