漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


「恭の動きは相変わらず素敵ねぇ〜!あの鉄パイプさばき、久々に見たわ♡あたしもアレで叩かれたい〜♡」


「聖ちゃん死ぬで。やめとき」



まったく…。


何でこの人達はこんなに緊張感がないんだろう?


あたしだけハラハラしてバカみたいじゃん。



–––


「なんだよ。時間稼ぎにもならねぇなぁ」



倉庫に響く、低く身の毛のよだつその声に、ドクッと大きく心臓が跳ねる。


直ぐにその声の出どころを探せば、


二階の手すりに寄り掛かり、あたし達を見下ろす葛原の姿。


怪しい笑みを浮かべながら、あたし達を見ている。


その顔を見ただけで、止められない怒りがあたしを支配し始めて、


気付いた時には、声を張り上げている自分がいた。


「葛原っっ!!!」


「よぉ。茉弘」


「潤を…潤を返してっ!!!」




「茉弘!落ち着きなさい!」


聖也さんが、今にも飛び出して行きそうなあたしの腕を掴んで止める。


そんなあたしの前に守るようにスッと立つ光輝さん。


「怒りに支配されちゃあかんで茉弘ちゃん。あいつの思うツボや」


分かってる。


あいつは、こっちの弱点があたしだという事を知ってる。


だから、あたしを挑発してくるんだ。


潤を使って…。