漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


あなたの優しさに触れて、流した涙はこれで何回目になるだろう?


例えの役立たずでも、足手纏いでも、


せめて心だけは強くあろう。


どんな事があっても、あたしはもう動じたりしない。


この人が、あたしに揺るぎない優しさをくれるように、


せめてこの人の前ではいつだって、凛としていたいから。


あなたのその優しい瞳に映るあたしを恥じないように。––––––





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「絶対に聖也達から離れないで下さいよ?」


「だぁー!もうしつこいっ!早く自分のバイクに乗りなよ!」


回想から戻っても、まだそんな事を言っている恭を無視して、あたしはバイクに跨った。


「いい加減腹決めなよ!恭!あたし達が付いてるのに、何がそんなに心配なのさ!」


「…いや、お前だから心配なんだよ…聖也」


今、あたしが跨っているバイクは、恭の物ではなくて聖也さんのものだ。


作戦上、鷹牙と対峙する際、恭は前衛の先頭に。


あたしは、後衛の一番後ろという配置になった。


形からすると、恭を筆頭にその後ろが太一、直、春馬。


その後ろに集まってくれた煌龍の子達と聖蘭の特攻部隊。


さらにその後ろに、聖也さんと光輝さんがあたしの盾になってくれている。


つまり、葛原達との戦いの最中、あたしはなるべくそれらから距離を取る形になる。