だけど……
「あたし、潤と約束したんだ…。あたしが、必ず潤を助けてみせるって」
「茉弘?」
俯くあたしの側までやってきて、恭はあたしの顔を覗き込む。
今あたしは、あたしの中で最も苦手な事をしようとしているのかもしれない。
握り締めた手は酷く汗ばんでいるし、上手く唾が飲み込めなくて、喉がゴクリと嫌な音を立てた。
「あ…たしも…、一緒に戦いたいっ…」
「……」
「潤を助けたい…」
恭は、一瞬驚いた表情を見せると、すぐ困ったようににあたしから目線を外した。
分かってる。
困るよね?
こんなワガママ言う自分が嫌だ。
ワガママ言うの本当に苦手なんだよ…。
だって、よく言えたもんだと自分でも思う。
本当は恭達の為にも、あたしは百合さんと一緒に恭達の無事を祈りながら帰りを待ってるべきなんだ。
それが一番恭達も動きやすい。
あたしを守りながら戦うより、ずっと効率がいい。
だけど…
あたし、恭と一緒に戦いたい。
潤を助けたい。
「分かってる。」
「…え?」
「分かってるけど、それでいいのかとも思ってる。正直、俺も自分の気持ちと戦ってるっていうか…」
恭は、頭をクシャクシャっと掻きながらバツの悪そうな顔をする。
…何が言いたいんだろう?
小首を傾げるあたしを見て、恭は大きな溜息を一つくと、何かを決心したような強い視線をあたしに向けた。



