「じゃあ、もう一人で泣くの禁止。」
そう言って、あたしの瞼にキスを落とす。
「もう、茉弘は一人じゃないんだから、泣く時は必ず俺の前で泣いて?
じゃないと、こうやって拭ってやれない」
頬に流れた涙を、恭はまた唇で掬った。
その温かさが、一人じゃない事を実感させる。
恭の触れた所から、じんわりと体が温まっていく感じ……。
とても寒い所から帰ってきて、漸くストーブにあたった時のような、身震いのするような幸福感。
さっきまでの不安が嘘のよう。
あたしは、恭の服の袖をキュッと掴むと、ありったけの思いを込めて、
「恭……ありがとう。大好きっ」
そう言って笑って見せた。



