漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「……恭、出てくるの……早い」


「……うん。何か一人にしとくの心配で、急ぎました」


「案の定ですね」と言って、恭は抱き締める腕に力を込める。


「弟君が、心配ですか?」


あたしは素直にコクンと頷く。


「大丈夫。こうしてる間にも、みんな弟君を助ける為の最良の手段を探してくれています。聖蘭だって動き出してるんです」


「聖也さん……達も?」


「無事だった煌龍の下の奴等も、事情を知って直ぐに動いてくれたそうです」


みんな……


「みんな茉弘と弟君の為に動いてる。茉弘は、安心してここに居ればいいんです」


恭は腕をほどくと、今度はあたしの頭を優しく撫でた。


そして、あたしに顔を近付けて


「それとも俺らが信じられない?」


と、意地悪な笑みを浮かべるもんだから、


あたしは涙の飛沫が散るくらい首を横に振った。