「……恭、出てくるの……早い」
「……うん。何か一人にしとくの心配で、急ぎました」
「案の定ですね」と言って、恭は抱き締める腕に力を込める。
「弟君が、心配ですか?」
あたしは素直にコクンと頷く。
「大丈夫。こうしてる間にも、みんな弟君を助ける為の最良の手段を探してくれています。聖蘭だって動き出してるんです」
「聖也さん……達も?」
「無事だった煌龍の下の奴等も、事情を知って直ぐに動いてくれたそうです」
みんな……
「みんな茉弘と弟君の為に動いてる。茉弘は、安心してここに居ればいいんです」
恭は腕をほどくと、今度はあたしの頭を優しく撫でた。
そして、あたしに顔を近付けて
「それとも俺らが信じられない?」
と、意地悪な笑みを浮かべるもんだから、
あたしは涙の飛沫が散るくらい首を横に振った。



