漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



一人になった部屋には、恭の観ていたテレビの音だけが響いていた。


恭が座っていたソファーに、あたしも腰を掛け、パタンと横になる。



「……はぁ」


今日は、本当に色んな事があった。


まさか、潤を置いて葛原から逃げてくることになるなんて……。


あの時と同じだ。


あたしは、また潤に助けられてしまった。



テレビから視線をずらすと、ハンガーに掛けられた潤のダウンがカーテンレールに引っ掛けるように掛かっていた。


きっと恭が掛けてくれたんだろう。


あたしはソファーから立ち上がり、そのダウンの所まで行くと、そっとそれに触れた。


そのダウンは今日の出来事のせいで、所々汚れたり破けたりしている。