「じゃあ、俺が言ってみせようか?」


そう言って恭は、あたしの両頬を包み込む。


「茉弘。俺を信じて。頼って。

俺は、茉弘が何と言おうとずっと側にいる。他の誰にも触らせたくないし、誰にも傷付けられたくない。

茉弘を笑顔にするのは、いつだって俺でありたい。」



……恭。



「茉弘を苦しめる全ての事から、茉弘を守りたい。」



凄いワガママだろ?と言って恭は苦笑する。



あたしは、また思い切り首を振る。



恭のバカ……


そんなのワガママなんかじゃないよ。


全部、全部、あたしの喜ぶ事じゃない。


でも、それは恭が望む事でもあるの?


あたしがそれに応えれば、それは恭の幸せにもなるの?



そんな都合のいい事、あってもいいの?



でも、もしそれが許されるのなら……──