「茉弘が鷹牙のスパイだと知って、どれだけの奴等が落胆したか」
近付いてくる冷ややな瞳に、背筋が凍る。
「 茉弘のせいで、どれだけの奴等が傷付いたか」
「……っ」
恭に冷たい眼差しを向けられただけで、こんなにも胸の奥が締め付けられるなんて……。
覚悟していたのに、予想を遥かに上回っていた。
こんなにも、恭に嫌われる事が怖いだなんて。
悲しくて、胸が押し潰されそうになるなんて……。
"茉弘の為に沢山の奴等が傷付いた。"
あたしは、震える手をギュウッと握り締める。
その手にはうっすらと血が滲んでいた。
あたしがスパイになんてならなければ……すぐに鷹牙に戻っていれば……鷹牙が煌龍に奇襲をかける事なんてなかったのに……。
全部……あたしのせいだ。



