漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


「あなた達がどう思ってるか知らないけど、あたしはみんなが思ってるような人間じゃないよ。
あたしはあなた達を利用しようとしたの。あなた達なんて、潤の為ならどうなったっていいって思ってた。自分達が幸せになる為なら、あなた達なんでどうでもよかったんだよ」


淡々とそう言うあたしに、みんなは目を剥く。


「でも、それは……!」


「何?それは仕方のない事だって?
バカ言わないでよ。
そんな事言ったら、世の中の悪い事は全部そう言って正当化出来るじゃない」


「……っ」



春馬は、顔をしかめて押し黙る。



ごめんね。春馬……。



「"弟を助ける為に、自分を犠牲にして敵方のスパイになった、健気な女"?

どうやらそれが、あなた達が思うあたしへのイメージみたいだけど。とんだ勘違いね。あなた達の都合のいい妄想だわ。

あたしはそんな悲劇のヒロインなんかじゃない。
私はただ、私利私欲の為に人を利用する最低な女よ」



みんなは、俯き黙ってしまう。


それでいい。



気付いて。


こんな奴、優しい言葉を掛けてやる価値もないんだよ。


呆れて、


軽蔑して、


憎んでくれればいい。



「あたしは、あなた達の仲間でも何でもなかったのよ……」