まぁ結果、みんなの前に出たらまるで大丈夫ではなくなってしまったわけですが……。
なわば現実逃避の回想から戻って来たあたし。
相変わらず、何百という不良さん達があたしを見ては噂話をしている。
思った通り、倉庫の中は人が密集し、ギュウギュウ状態。
夏の暑さに加え、熱気で倉庫内の湿度と温度は急上昇。
暑くて息苦しいくらい。
目が回る。
「茉弘。本当に大丈夫ですか?」
こんな状態でも、顔色一つ変えずにこのステージに立っている恭は、本当に総長の気質のある人なんだなって思う。
こんな風にみんなの前に立つ事なんて、沢山あるんでしょ?
あたしなら、その度にぶっ倒れる自信があるよ。
今は、恭が側に居てくれるから、何とか意識を保ってるって感じだし……。
心配そうにあたしを見ている恭に、クラクラした頭で
「本当大丈夫だから。」
と答えるあたし。
恭は心配そうに笑って、あたしの頭をクシャッと撫でる。
「茉弘……。今から俺は、いつもみたいに穏やかには出来ないけど、怖がらないでくださいね?」
「え?」
「まぁ、何度か見られてると思うけど……その、口が悪いと言うか、何と言うか……。」
恭は、頬を掻きながら言い辛そうに口ごもる。



