漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


「……茉弘。ごめん。みんな知ってたんだよ」


百合さんの大きな瞳が揺れている。


「……え?」


「あたし達も茉弘が連れ拐われる前から、茉弘が鷹牙のスパイだって知ってたんだ」



……知ってた?



「俺が、教えたんです。」


恭は、カウンター席のテーブルに寄りかかり、真っ直ぐあたしを見ながら口を開く。


「茉弘の弟が、全部話してくれました。
茉弘が鷹牙のスパイだという事も、なぜそんな事をしているのかも」


潤……が?


「いつ……から知ってたの……?」


「俺はわりと最初の頃から。その頃既に仲間内から反乱因子が出ていたのは知ってますよね?さすがに身元の分からない者を側に置くわけにはいかなかった。だから、悪いけど調べさせて貰いました」



良く考えたらそうだ。


頭の良い恭が、まんまと騙されるはずがない。


それじゃなきゃ、こんなに大きな族の総長が勤まるはずがないんだ。