あたしは、そんな柚菜さんを強く引き剥がす。
「……何なの?……あなた達……おかしいんじゃないの?」
自分の声とは思えないほど、低くて掠れた声に、自分でもゾッとする。
「何助けてんの?バカじゃないの?あたしが、何者か……まだ分からない?」
みんなの視線があたしに注がれているのは分かってる。
だけど、あたしの視線は敢えて地面に落とされていた。
「あたしは、あなた達の仲間なんかじゃない!
あたしは、鷹牙のスパイなんだよ!?」
自分の目的の為に、あなた達を騙してた、最低な奴なんだよ。
握り締めた拳が、震えているのが分かった。
だけど、手のひらに爪を食い込ませて、何とか自分を保った。
もっと憎んでよ。
軽蔑してよ。
心配なんか、しないでよ。



