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涙って、こんなに出るものだっけ?
泣いたってどうにもならない事は分かっているのに、それでもあたしはなぜ涙を流すんだろう?
「茉弘っ!!」
「茉弘さんっ!!」
鷹牙の連中の手から逃れたあたし達。
抵抗することすら止めたあたしを、恭は近くに停めていたバイクに乗せ、ここ"お星さま☆"まで連れてきた。
店の前に着くと、心配な顔をして佇む百合さんと俊太が待っていて、
二人はあたしがバイクから降りるなり、直ぐに駆け寄って来た。
「茉弘っ!大丈夫っ!?怪我はっ!?」
そう言って、あたしの顔を両手で包み込むと、確認するようにまじまじとあたしの瞳を覗き込む。
だけど、あたしの顔を見た百合さんは目を見開き、何か言いたそうに恭に顔を向けると、
「……っ」
恭に首を振られ、言葉を呑み込んだ。
百合さんが心配してくれているのは分かってる。
沢山、話さなきゃならないことがあるのも……。
だけど……
何も考えられない。
考えたくない。
まるで、心が空っぽだ。



