その目の前の現状を、冷たい目で見下ろす一人の男。
滝沢……?
あれ?
おかしいな。
この人、よく見たら一度も恭の攻撃をくらっていない。
それどころか、息さえも大して上がっていなくて……
あたしはなんだか妙な胸騒ぎを覚えた。
滝沢の唇が、ゆっくりと奇妙な弧を描く。
「やっぱ強いですねぇ。あなた。うちの総長があっさりこの様だ。」
「……どーも。でも、さっきから俺の動きを分析しながら、余裕ぶっこいて戦ってるような奴にだけは言われたくねーな」
「ふ。よく分かりましたねぇ。どうやら噂通り、頭もいいようだ」
恭と滝沢は睨み合いながら間合いを取る。



