そう思っているのは葛原も同じようで、
「あいつらっ……何でこんな裏切り者の為に……っ」
そう言ってギリギリと歯を鳴らす。
葛原……。
これに限ってはあたしも同感だよ。
こんな裏切り者のあたしなんかを助けに来るなんて、どうかしてるよね?
「…さて、と。雑魚はあいつらに任せとくとして」
あたし達の後ろに迫っていた鷹牙の連中は突然現れた3人に掛かりきりになっている。
今なら相手は葛原と滝沢だけ。
恭は、スッとあたしの前に立つと、
着ていたダウンを脱ぎ捨て、眼鏡を外す。
そして、目を瞑ったまま深く息を吐き出すと、またゆっくりと目を開けた。
その開かれた目は、もういつもの恭じゃない。
一瞬、空気が揺れた気がした。
「これで、気兼ねなくお前らの相手出来るわ。
おら、かかってこいよ。」
ビュンっと風が吹いたかと思ったら、それは恭が動いたからで、
気付いた時には、葛原と滝沢の二人を相手に、戦いが始まっていた。



