こんなの、逃げ道がない。
「っもう……いいから!あたしの事はいいから、恭は逃げて!」
そう恭に懇願しても、恭はあたしを見もせず、あたしの肩を抱く腕に力が込められただけ。
~~っもうっ!
何で聞かないのよバカ!
一体どうすればいいの?
前には、鷹牙の幹部が二人。
この二人の強さと非道さは、この世界では有名な話で……あたしですら聞いた事がある。
いくら恭だって、あたしを守りながらこの二人を相手して、
その上、後ろからやって来るあの大人数までも相手にするなんて……
絶対に無理だ。
せめて、あたしが居なければ……
恭一人ならどうにかなったのかもしれないのに……
──────ポンポン
恭があたしの背中を軽く叩く。



