─────ダァンッ!!!!!
その瞬間、潤は葛原によって壁に叩きつけられる。
胸ぐらを掴んだ葛原の手は、今にも潤の胸にめり込みそうなほど押し付けられている。
「潤!!!!」
二人の間に飛び出して行こうとするが、恭の腕によって阻まれてしまった。
「おい、潤……これは完全なる裏切りだぞ?それが、何を意味するのか……分かってるんだろうな?」
そういう葛原の眼球は、もう尋常じゃないくらい血走っていて、
あたしの中の警告音が、煩く鳴り響いていた。
「…………俺は、言ったはずですよ。
茉弘を傷付ける奴は、どんな奴だろうと許さない…と。」
「……のっ……シスコン野郎がっ!」
「潤っ!!!!!」
葛原の拳が潤の左頬にめり込む。
潤はそれを防ぐ事もせず、そこらのものを巻き込んで勢いよくふっ飛んだ。
「潤っ!潤っ!!!」
潤は気を失っているのか、ピクリともしない。