「…い。」
「あ?」
「情報なんて…ない…」
あたしのその言葉に、葛原の空気が一変する。
さっきまでの薄ら笑いは消え、代わりに暗くて冷たい瞳があたしを貫く。
今にも人を殺めそうな程の真っ黒な瞳に、背筋が凍る感覚を覚える。
「どういう事か、説明してもらおうか?」
あたし…何を言ってるんだろう?
覚悟はしていたのに。
当初の予定通り、葛原に煌龍の情報を流さないといけないのに…
それが葛原との契約なのに……
そうしないと、潤を助けることは出来ない。
潤の笑顔を取り戻す事が出来ない。
なのに……
あたしは、縛られた足で冷たい地面に正座になる。



