漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】





「何に泣いてんだよ?胸くそ悪ぃんだよその顔」


────パシン


葛原は、あたしの頬を躊躇なく叩く。


「茉弘。まさか俺との約束を忘れたわけじゃないよな?」


葛原の手があたしの喉に伸びてくる。


「まんまと栗山に取り入ったようじゃないか。姫にまでなって?上出来だよ茉弘。」


体が震えて動かない。


「あの姫を取らないと有名な栗山が、愛して姫にまでした女が裏切り者だったって分かった時、あいつはどんな顔してたんだろうな?想像しただけで、面白くて仕方ないよ。」


こいつ……クズだ。


狂ってる。


あたしは、ありったけの気力を振り絞って葛原を睨み付ける。


「……何で……奇襲をかけたりしたのよ。あたしは……自分であんたの所に戻ってくるはずだった……。あんな……」


あんな汚いやり方で……。


ねぇ、みんなは無事なの?


「こうでもしねーと、お前戻って来られなかっただろ?」


「え?」


「お前、栗山に惚れてるだろ。」



───ドクン