「何に泣いてんだよ?胸くそ悪ぃんだよその顔」
────パシン
葛原は、あたしの頬を躊躇なく叩く。
「茉弘。まさか俺との約束を忘れたわけじゃないよな?」
葛原の手があたしの喉に伸びてくる。
「まんまと栗山に取り入ったようじゃないか。姫にまでなって?上出来だよ茉弘。」
体が震えて動かない。
「あの姫を取らないと有名な栗山が、愛して姫にまでした女が裏切り者だったって分かった時、あいつはどんな顔してたんだろうな?想像しただけで、面白くて仕方ないよ。」
こいつ……クズだ。
狂ってる。
あたしは、ありったけの気力を振り絞って葛原を睨み付ける。
「……何で……奇襲をかけたりしたのよ。あたしは……自分であんたの所に戻ってくるはずだった……。あんな……」
あんな汚いやり方で……。
ねぇ、みんなは無事なの?
「こうでもしねーと、お前戻って来られなかっただろ?」
「え?」
「お前、栗山に惚れてるだろ。」
───ドクン



