漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



……冷たい……。


寒い……。



さっきまでの暖かい幸福感が遠退いていく。


もう二度と戻っては来ないのだと分かっているあたしは、ただただ立ち尽くすだけ。


心にぽっかりと穴が空いたような喪失感。


壊れてしまいそうなほど寂しくて、辛くて……




…………あなたが恋しい。




あたしは顔を覆い、その場に泣き崩れる。






────ピチャン……



目から涙が溢れ落ちる感覚。


あたしはその違和感でゆっくりと目を開ける。


まだ夢の中に居るのだろうか。


そこは真っ暗な闇。


聞こえるのは、何か水のような物が滴る音だけ。


冷たくて、寒くて、悲しい場所。