「茉弘っ!!!」
「…………」
「茉弘っ!!!待て!!!」
恭があたしの腕を掴む。
いつもあたしに優しさを与えてくれた、大好きな恭の手。
大きくて、強くて、優しい……恭の手。
「恭……」
あたしはゆっくりと恭を振り返る。
そして、込み上げてくる気持ちや絶望感を胸の奥に全て押し込んで、
ありったけの思いを込めて言う。
「バイバイ……恭」
「ま……」
『やっぱ、待ちきれねぇわ』
─────ガシャーーーーン!!!!
ガラスが割れる音。
変な煙が充満する。
うるさいバイクのエンジン音。
恭が叫ぶようにあたしを呼ぶ声。
みんなの悲鳴。
頭に強い衝撃が走って、あたしは真っ暗な闇に落ちていった。



