漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


スピーカーのような物から流れてくるような声……


この声は…………





───── "葛原"





ドクンと心臓が脈を打つ。


あたしを抱く恭の腕に力が籠る。



『煌龍のみなみなさーん!ハッピーニューイヤー!!


んー?あれー?ちょっと声が聞こえませんよー?』


ギャハハハという下品な笑いと、野次が聞こえる。



やっぱり……あの灯りはヘッドライトだ。


この倉庫は、鷹牙の連中に取り囲まれている。



『おい。栗山 恭。そこに居るんだろ?』


葛原の声が、急に不気味なほどに低くなる。


『さぁーて?問題デス。俺達はナゼここに来たのでしょう?3秒以内で答えて下さい。』


3、2、1と葛原はカウントしていく。



『ブッブー!時間切れです!答えは……』



やめて……



『"秋月 茉弘を返してもらう為"……

でした』


「やめてっ!!!!!!」




「茉弘っ!!!!」



あたしは、恭の手を振り切って幹部室を出る。


真っ暗闇の中、何度もつまづきながら急いで階段を駆け下りて、さっきまでみんなが寝ていた1階に。



恭がその後を追ってくる音がする。


でも、もうそんなの聞こえなかった。



あたしは、その光景に凍りつく。