スピーカーのような物から流れてくるような声……
この声は…………
───── "葛原"
ドクンと心臓が脈を打つ。
あたしを抱く恭の腕に力が籠る。
『煌龍のみなみなさーん!ハッピーニューイヤー!!
んー?あれー?ちょっと声が聞こえませんよー?』
ギャハハハという下品な笑いと、野次が聞こえる。
やっぱり……あの灯りはヘッドライトだ。
この倉庫は、鷹牙の連中に取り囲まれている。
『おい。栗山 恭。そこに居るんだろ?』
葛原の声が、急に不気味なほどに低くなる。
『さぁーて?問題デス。俺達はナゼここに来たのでしょう?3秒以内で答えて下さい。』
3、2、1と葛原はカウントしていく。
『ブッブー!時間切れです!答えは……』
やめて……
『"秋月 茉弘を返してもらう為"……
でした』
「やめてっ!!!!!!」
「茉弘っ!!!!」
あたしは、恭の手を振り切って幹部室を出る。
真っ暗闇の中、何度もつまづきながら急いで階段を駆け下りて、さっきまでみんなが寝ていた1階に。
恭がその後を追ってくる音がする。
でも、もうそんなの聞こえなかった。
あたしは、その光景に凍りつく。



