「ありがと。」
恭はニコッと笑うと、あたしの隣に腰を掛ける。
ソファーが小さく軋む。
「今年は、色んな事がありましたね。」
恭は、コーヒーカップを手にしみじみとした顔でそんな事を言う。
「うん……」
あたしもコーヒーを一口啜る。
美味しい……。
「でも、俺にとって一番の出来事は茉弘に出逢った事かな」
「え?」
「去年の今頃は、全く想像さえしていなかった。
いきなり現れた子に心をかっさらわれ、それじゃいけないと葛藤して、でもどんどん手放せなくなって……。だけど、その子に大切なものを守る強さを教えて貰って、今こうして誰よりも側にいる。」
恭の頭が、あたしの肩にコテンともたれ掛かる。
恭……やっぱり酔ってる?
こんな甘えた仕草をする恭は珍しい。
ちょっと……かわいい。
「すげぇ良い一年だった。今まで生きてきた中で、一番最高。ヤバイ……こえー……来年こえーよ……」
「き、恭?」
言葉使いまで変わってるし。
恭が、あたしに顔を向ける。
さっきまではシャキッとしてたのに、今はトロンとした目であたしを見る。
「好きだよ。茉弘。」
「……っ」
「来年も、再来年も、その次の年も。ずっとずっと愛してるよ」
「あっ……!?!?」



