漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「ありがと。」


恭はニコッと笑うと、あたしの隣に腰を掛ける。


ソファーが小さく軋む。


「今年は、色んな事がありましたね。」


恭は、コーヒーカップを手にしみじみとした顔でそんな事を言う。


「うん……」


あたしもコーヒーを一口啜る。


美味しい……。


「でも、俺にとって一番の出来事は茉弘に出逢った事かな」


「え?」


「去年の今頃は、全く想像さえしていなかった。
いきなり現れた子に心をかっさらわれ、それじゃいけないと葛藤して、でもどんどん手放せなくなって……。だけど、その子に大切なものを守る強さを教えて貰って、今こうして誰よりも側にいる。」


恭の頭が、あたしの肩にコテンともたれ掛かる。


恭……やっぱり酔ってる?


こんな甘えた仕草をする恭は珍しい。


ちょっと……かわいい。


「すげぇ良い一年だった。今まで生きてきた中で、一番最高。ヤバイ……こえー……来年こえーよ……」


「き、恭?」


言葉使いまで変わってるし。


恭が、あたしに顔を向ける。


さっきまではシャキッとしてたのに、今はトロンとした目であたしを見る。


「好きだよ。茉弘。」


「……っ」


「来年も、再来年も、その次の年も。ずっとずっと愛してるよ」


「あっ……!?!?」