「それじゃあ、行きますか!」


「ひゃあ!」


急に体がフワッと浮き上がって、思わず恭の首にしがみつく。


なっ……なっ……


お、お姫様抱っこ!?



恭はあたしを抱いたまま、観客達が作る花道を一歩一歩進んでいく。


その先に待つのは、見たことのあるバイク。


恭のバイクだ。


それを筆頭に3台のバイクが並んでいる。


きっとこれは、太一達のバイク。


恭は自分のバイクにあたしをそっと下ろすと、一度じっとあたしの顔を覗き込む。


そして、あたしのおでこに優しくキスをしてバイクに跨がった。