目の前の不思議な光景に呆気にとられていると、恭がこちらに気付いて太一達に何か合図をする。
すると、ゆっくりとした足取りで微笑みながらあたしに……向かってくるじゃないか!
ちょ!
ちょっと待って!!!
何でこっちに来るの!?
恭は3人をバックに付けて、あたしの一歩手前で足を止めると、
「なんか、ちょっと恥ずかしいですね」
と言って照れた様子で鼻の頭を掻く。
「き、恭!こ、これって一体なんなの!?」
動揺しているあたしを見て、ニッコリと恭は微笑む。
「他の族と変わりないんじゃ、かっこつかないでしょ?」
「は?」
「みんなに俺の大事なもん分からせてやらないとね?」
「……なっ!」
「茉弘」
「え?わっ!」
大きなバラの花束が渡され、あたしの視界が遮ぎられる。
それと同時に、バラの香りが胸一杯に広がった。
驚いて恭を見ると……
「メリークリスマス」
そう言って、ドキッとしてしまうほどの優しい顔で微笑む。



