漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



目の前の不思議な光景に呆気にとられていると、恭がこちらに気付いて太一達に何か合図をする。


すると、ゆっくりとした足取りで微笑みながらあたしに……向かってくるじゃないか!


ちょ!


ちょっと待って!!!


何でこっちに来るの!?



恭は3人をバックに付けて、あたしの一歩手前で足を止めると、


「なんか、ちょっと恥ずかしいですね」


と言って照れた様子で鼻の頭を掻く。


「き、恭!こ、これって一体なんなの!?」


動揺しているあたしを見て、ニッコリと恭は微笑む。


「他の族と変わりないんじゃ、かっこつかないでしょ?」


「は?」


「みんなに俺の大事なもん分からせてやらないとね?」


「……なっ!」



「茉弘」



「え?わっ!」



大きなバラの花束が渡され、あたしの視界が遮ぎられる。


それと同時に、バラの香りが胸一杯に広がった。


驚いて恭を見ると……



「メリークリスマス」



そう言って、ドキッとしてしまうほどの優しい顔で微笑む。