漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「茉弘が栗山恭の姫になったのは、将生さんとの契約の為なの?」


「……え?」




「それとも、栗山恭を好きになったから?」



潤は真っ直ぐあたしを見詰めてくる。


その目の奥は澄んでいて、まだ黒に染まりきっていないのだと、ほっとした。




「前者なら、今すぐ煌龍から離れろ。
俺は前と気持ちは何も変わってない。
俺を取り戻すとかバカな事は考えないで、俺の事なんて忘れて普通に暮らせ」


「っなっ……!!「後者ならっ!!!」


潤はあたしの言葉を遮って、潤とは思えないような大きな声を出す。



「……後者なら、栗山恭と生きろ」





──頭が、真っ白になった。



だって、どちらの選択肢にもあなたはいないじゃない。



あたしの指先が、冷たくなっていくのを感じる。



「あの栗山恭が、茉弘の側に居てくれるなら、俺は安心だよ。

あの人は、この業界でも凄く評判がいい。強いし頭が良いし、面倒見がよくて優しい人間だって聞いてる。そんな人が茉弘の側に居て、茉弘を大切にしてくれるなら、俺は何も言うことないよ。」