「茉弘が栗山恭の姫になったのは、将生さんとの契約の為なの?」
「……え?」
「それとも、栗山恭を好きになったから?」
潤は真っ直ぐあたしを見詰めてくる。
その目の奥は澄んでいて、まだ黒に染まりきっていないのだと、ほっとした。
「前者なら、今すぐ煌龍から離れろ。
俺は前と気持ちは何も変わってない。
俺を取り戻すとかバカな事は考えないで、俺の事なんて忘れて普通に暮らせ」
「っなっ……!!「後者ならっ!!!」
潤はあたしの言葉を遮って、潤とは思えないような大きな声を出す。
「……後者なら、栗山恭と生きろ」
──頭が、真っ白になった。
だって、どちらの選択肢にもあなたはいないじゃない。
あたしの指先が、冷たくなっていくのを感じる。
「あの栗山恭が、茉弘の側に居てくれるなら、俺は安心だよ。
あの人は、この業界でも凄く評判がいい。強いし頭が良いし、面倒見がよくて優しい人間だって聞いてる。そんな人が茉弘の側に居て、茉弘を大切にしてくれるなら、俺は何も言うことないよ。」



