あたしは、ポケットからスマホを取りだし、時間を確認する。
只今、夜の8時を回った所。
夜が更けるにつれて、どんどん気温が下がっているようで、ここにある様々なバイクからは湯気が上っていた。
あたしはブルッと身震いする。
去年までは、自分がこんな所に居るなんて想像すらしなかった。
それもクリスマスにね。
ここに居ると、クリスマスってことすら忘れそうになる。
でも、不思議と嫌じゃない。
あの、叔父さん叔母さんの居る家で、真っ暗な部屋にポツンと一人、窓から見える近所のクリスマスツリーを眺めているよりずっと素敵なクリスマスだ。
お父さんお母さんが亡くなってから、潤と一緒にずっとそんなクリスマスを過ごしてきた。
でも、今は違う。
沢山の大好きな人達が、今ここに居て、
大切な人がここに居て、
あたしは、そんな皆とここに居る。
やろうと思えば、自由にどこへだって行ける。
───ふぅ……
あたしは、小さく溜め息をつく。
ううん。
まだ、違う。
本当の自由は、潤を取り戻してからだ。



