「この前はビックリしたよ。でも、ちょっとかっこよかった」

女子たちのキラキラしてる瞳に、迷子の子羊のようにオロオロしている。

慣れないことに冷や汗が…


女子だけではない。


「あ、あの子じゃん?おはよ。今度さ、俺も叱られたいんだけど!」

声がする方に目を向ける。

誰⁈

道路を挟んで違うクラスの知らない男子がからかってくる。


「ごめんね、こいつMなんだよ」

隣で友達らしき人が笑いながら謝った。


M気質な男子は、笑いながらも何かひらめいたように、


「でもさ、あれだよね?有輝と別れたんだよね?じゃあさ、今度さぁ…」


そう言いかけた時、後ろから肩を抱く男子が言葉を阻んだ。

その男子を見て、私は少しほほえんだ。

瀬戸くんだ…


「そんなに叱られたいなら俺が叱ってやる」


「えっやだよ。女の子がいい。椎名さんみたいな強い…」

瀬戸くんとM男くんが戯れるのを見ながら大笑いする朝。


楽し過ぎる...