テスト勉強がこんなに手につかないことが今まであっただろうか。

家に帰って、机の前でシャーペン持ってノートを広げて数時間。

全くはかどらず、手の動きは止まったままだ。


瀬戸くんと美織ちゃんの後ろ姿が何度も頭の中で回想されて私をへこませる。

お似合いの二人か…


お似合いといえば、芽衣は健斗くんと付き合うのかな。

明日、聞いてみよう。



テスト勉強どころじゃないのに。
こんな時になんでテストがあるんだよ...


ちっとも進まない勉強をついに諦めてベッドに横たわる。


天井を見ながら考える。

明日、瀬戸くんに会った時、どんな気持ちになるんだろう。

普通に接することができるのかな。


今までと同じにしようとしても、今までがどんなだったのかがわからない。


どうしよう・・・


そんな不安を抱えたまま朝は来てしまった。


いつもの待ち合わせ場所には芽衣が立っていた。



「おはよ」

今日もいつも通りの朝。


「あれからどうだった?健斗くんと」


芽衣の表情が和らぐ。


「とりあえず試験終わるまでは...だけど、夏休みに遊ぶ約束はした」


「そっかあ。芽衣はどう思ってる?」


芽衣のこの表情からして...



「意外と気が合う感じで。優しいし、裏がなさそうな感じがね、すごくいいと思った」


前向きな感じ。



「ナンパで出会いとか、あるんだねぇ」


そういうことに無縁な私。


「私もびっくりだよ」

芽衣がクスクス笑った。



「おはよ。昨日は健斗がごめんな」


この声は...出た!!


瀬戸くん。