あの日の雪を溶かすように




アリスはゆっくりと
振り向いた。


シュウには
一瞬、彼女が息を呑むほど
美しく、
そして途方もないくらい、
儚く見えた。



少し零れた彼女の微笑みが、

雪が降る速度よりも遅く、
シュウに近づいていく。


「…ずっと…」