それから しばらく 二人は互いに背を向けて 頑なに口を閉じていた。 葵が背中越しにアリスを ちらりと見る。 「…先輩?」 「何?」 「私、考えたんです。」 「何?」 「私… 先輩が、大好きなんですね。」 「うん?」 「だから…先輩。 だから、私ね… 先輩の、代わりになろうと 思うんです。」 「…何?」 満面の笑みを こちらに向けた葵は そう言うと、 ゆっくりとゆっくりと 姿を消した。 文字通り、 幽霊のように 目の前から 消えていった。