「だーめっ!これは陸斗くんのために作ったんだからぁ」
あたしが即答すると、夏樹は口を尖らせて言った。
「ケチー」
「しょうがないから、夏樹にはあたしのデザートあげるよ……はい」
カバンの中からメロンパンを出したあたしは、夏樹の手のひらの上に乗せた。
「デザートにメロンパンて……もちろん弁当も食べるんだよなぁ?」
「そうだけど?」
「よく食べるよな~彩葉は」
そう言って笑いながら、夏樹は先に歩き出す。
あたしは夏樹のあとを小走りで追いかけて、夏樹の前に手を差し出した。
「文句あるなら返してもらえます?」
「うそです、うそですっ!彩葉ちゃんっ」
「まったく……」
あきれたように笑うあたしの隣で、メロンパンを食べながら歩く夏樹。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)