――――――……
朝から澄みきった青い空が広がっていた。
ひとり鼻歌を歌いながら、いつものように通学路を歩いていく。
川の橋を渡る手前で、後ろから声が聞こえた。
「おーい!彩葉ー!」
あたしが立ち止まり振り返ると、夏樹が手を振りながらこっちに走ってくる。
「夏樹ー。おはよーん」
夏樹はあたしの前に立つと、音楽が流れているイヤホンを耳から外した。
「彩葉、それなに?」
あたしが右手に持っていた小さな紙袋の存在に、夏樹はすぐに気づいて指をさす。
「あ、これ?手作りのクッキー」
あたしの答えを聞いた瞬間、夏樹の顔はパアッと一気に明るくなり、目を輝かせた。
「クッキー!?ちょーだいっ?俺、朝食べてくる時間なくてさっ」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)