「ば、ばれんたいんくらい知ってるし……!」



バレンタインを知らなかったことが恥ずかしいのか、馬鹿にされたと感じたのか、拗ねたようにそっぽを向いてしまう。



「あーごめんごめん、怒んないで、かわいくてつい」

「かわいくねえ!!」



星那が余計に顔を真っ赤に染める。



「まあまあ、お菓子いっぱい作っていっぱい食べよ?」

「……作って食べるだけだからな」

「うん。じゃあまず買い物に行こっか」

「え……」



少し嫌そうな顔をした星那の手を取る。

その手を引っぱってソファーから立たせると、部屋から連れ出した。