「ん、もう平気だけど?」


そう言って、また俺が近づこうとすると


いきなり、立ち上がって



「あ、ありがとうございましたっ……!!」



深々くお礼をすると



ダッシュで俺の前から消えた。



「ぷっ、なんだアイツ…」



俺、アイツの事気に入ったかも。


「ん? 瞬どうかした?」


たまたま通りかかった雄大に言われて


「なんもねえよ。
けど、お気に入り見つけた」


そう、ニヤッと笑いながら言うと


俺は、そのまんま教室を出て



歩き始めた。