禁断のプロポーズ

「まあ、そうかもしれないな。

 浮気というより、たぶん……結婚したときには、俺を妊娠してたんだよ」

「じゃあ、尚更ですよ。

 まあ、調べなくても、お父様かお母様に訊かれたらわかることなんでしょうけど。

 お父様はあんなに貴方を大事にされているんですから。

 それがすべてで、それが真実です。

 なにも確かめる必要なんてないんですよ」

「自己弁護か」
と智久は笑う。

「その理論で言うなら、お前と夏目が愛し合ってることがすべてで、兄妹でも関係ないことになるな」

「いいですよ、そう受け取っても。

 まあ、世の中には知らなくていいことがたくさんあるってことですよ」

「俺に謝らせたいんだな。

 お前たちに真実を告げたことを」

「そうじゃないですよ、もう〜。

 可愛くないな」
と言ったとき、智久に手を掴まれた。

 こちらを見つめ、
「調べるよ」
と言う。

「えっ」

「決めた。
 お前たちと一緒に調べる。

 俺が……社長の子供じゃなかったら、俺と結婚してくれ」

 は? と思ったとき、智久の手が強く自分を引き寄せ、よろけた後ろ頭を掴んだ。

 そのまま、口づけてくる。