禁断のプロポーズ

「それにさ。
 君、僕を本気にさせてくれるって言ったじゃない」

「言ってません〜。

 それに、水沢さんは、私なんかじゃ満足できませんって」

「いやいや、僕、未咲ちゃん、好きだよ。

 最初は、この頓狂で使えない小娘をどう指導しようとか思ってたんだけど」

「……忌憚のないご意見をありがとうございます」

「今は第二の中では、一番好きだよ」

 ってことは、他を加えたら?

「いや、本気だよ?」
と克己はこちらの目を覗いてくる。

 茶色い瞳が自分を捉える。

 うーん。
 やっぱり綺麗な人だとは思うけど。

 私は夏目さんのあの黒い瞳の方が好きだ、と思っていた。

「水沢さんは本気なときは、そうやって口に出して言わないと思うんですけどねー」

「いやいやいや、本気だって」
と克己は繰り返す。

 強く手を握ってきたが、いつものように顔は笑っていた。