禁断のプロポーズ

「ともかく、なにかこう、釈然としなくて。

 恋人の智久さん。

 浮気相手の水沢さん。

 友人の夏目さん。

 このメンツだけ考えると、たいした事件も起こらないような。

 なのに、妙な空き巣まで入って、私が命を狙われて。

 それで、気になり出したんです。

 おねえちゃんとあの人を会わせてしまったことが。

 日記にそんなことは書いてないけど、読み返してみました。

 くだらない話でも読んでいたら、その頃のことが思い出されるでしょう?

 昔の曲を聴いたら、その当時のことが思い出されるみたいに」

「そいつが本気の浮気相手だと思ってるわけ?」

「わかりませんけど。

 あの人に深く関わりすぎて殺されるってこともないとは言えないから。

 それで、なんで私まで狙われるのかわからないけど。

 私が、おねえちゃんやあの人のことで、なにか知ってると思われてるのかもしれないし。

 智久さんに確認してみます。

 おねえちゃんが浮気したと思われる時期が、私があの人とおねえちゃんを会わせた前なのか、後なのか」

「でもそれだとさ……」

 え? と見たが、水沢は、いや、なんでもない、とその先の言葉を飲み込む。