禁断のプロポーズ

「威張って言うな。

 人に見られても恥ずかしくないような毎日を送ればいいじゃないか」

「貴方はどうなんですか。

 隠れてコソコソおねえちゃんと付き合った挙句に、捨てた貴方は。

 全部日記に書いてますか?」

「俺は日記は書かん」

 書けないことが多すぎだからだろ、と思っていた。

 女子高生に二千万渡して、いきなりキスしてきたり。

「待って、未咲ちゃん。
 それ、いつの話なの?」

「え?」

「その殺し屋うんぬんって」

 克己は、今年じゃないよね、と言ってくる。

「私が高校生のときですよ。

 智久さんと会う前ですから」

「なんで、そんな古い日記を持ち歩いてるの?」

 答える前に智久が溜息をつき、
「こいつは、たまにしか書かないから、中学生のとき買ったと思われる日記のページがまだ余ってるんだ。

 それもしょうもないことしか書いてない上に。

 中二の二学期辺りに買ったらしくて、あの辺りだけ、びっしり書いてて。

 後はスカスカだ」
と勝手に答え始める。

「だーかーらー、勝手に日記読むとか。

 貴方、私のお父さんですかっ」

「なんで父親だ。
 せめて……」

 兄だろうが、と言いかけ、智久は黙る。