禁断のプロポーズ

 まあ、この二人はこれで楽しそうだからいいか、とソファまで行った未咲は、ずっと立っていたので、夏目の向かいの椅子に腰を下ろしてみた。

 だが、夏目は肘掛けに頬杖をついて、他所を向いている。

 うう。
 機嫌が悪いな。

 怒ってるポイントは何処だろうな、と思う。

 いろいろありすぎて、わかからないけど。

 ……全部かな、と思っていると、ちらとこちらを見た夏目が、

「未咲、ちょっと外に出ろ」
と言ってくる。

 それを聞きとがめた智久が克己と話していたくせに、割り込んできた。

「待て。
 未咲は狙われてるんだぞ。
 外へは出すな」

 智久の方が夏目より心配してくれている感じになってしまったせいか、夏目の機嫌がより一層悪くなる。

「あれっ?
 未咲ちゃんが狙われてるの?

 清掃員のふりをした泥棒か、産業スパイが見咎められて、ナイフ出してきたって聞いたけど」

 克己の言葉に、智久が言う。

「そう言っとかないと、この娘に後ろ暗いことが多すぎてな。

 まさか、殺し屋をかくまってたとは。

 お前、俺の部屋には入れてないだろうな」

「だって、あれ、智久さんに会う前ですから」
とさすがに少し小さくなって言うと、

「その後も会ってたんだろうが。

 俺と出会ったあとも。

 まったく。
 飼い犬に手を噛まれた気分だ」
と言い出す。